脳ドックの費用や相場は?使える補助金など安く受けられる方法も解説

脳ドックの費用や相場は?使える補助金など安く受けられる方法も解説
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「脳ドックを受けてみたいけど、費用はどれくらいかかるのかな?」
「補助金など、脳ドックを安く受けられる方法はないかな?」

そうお考えではありませんか?

脳ドックの費用相場は3万円~6万円です。脳ドックは自由診療にあたるため保険が適用されず、全額自費となるため、通常の診療より費用が高くなってしまうのです。

しかし実は、場合によっては保険診療に適用されたり、補助金を使えたりして、費用を安く抑えられるケースもあります。

とはいえ、せっかく自費で脳ドックを受けるのですから、費用の安さだけでなく、自分の状況に合った施設設備や検査項目を納得して選ぶなど、費用に見合う満足感を得られるどうかも重視して検査施設を選ぶ必要がありますよね。

そこでこの記事では、以下のことについて徹底的に解説していきます。

この記事で分かること
・脳ドックの費用相場・脳ドックの検査項目と費用の目安・脳ドックでは同じ検査でも、検査施設ごとに料金は異なること・脳ドックの費用が少しでも安くなる4つのケース・脳ドックの費用で迷った場合の検査施設の選び方

この記事を最後まで見ると、脳ドックの検査費用や補助を受けられるケース、施設選びのポイントが分かるため、費用とのバランスを見ながら自分に合った検査項目や検査施設を見極めることができるでしょう。

脳ドックの費用をしっかり調べてから検査を受けたいという方は、この記事をぜひ最後までご覧ください。

目次

脳ドックの費用相場は3〜6万円、検査項目の組み合わせにより変動する

まずは、脳ドックはどれくらいの費用がかかるのかを解説していきます。

脳ドックの費用の相場は3~6万円ほどです。脳ドックは健康な時に予防として受けられる検査であるため、全額自己負担の自由診療となります。そのため、一般的に体調が悪くなって病院で診てもらうような保険診療の検査よりも、高額になるのです。

また、脳ドックの相場は3~6万円といっても、安くて2万円ほど、高くて10万円以上になるなど、費用には幅があります。

例えば、脳ドックを行っているAクリニックでは、3つの脳ドックコースがあります。

Aクリニックで行っている3つの脳ドックのコース内容
①簡易コース35,000円頭部MRI、MRA・頚部MRA
②標準コース45,000円頭部MRI、MRA・頚部MRA・身体計測・血圧・心電図・血液検査
③精密検査コース65,000円頭部MRI、MRA・頚部MRA・身体規則・血圧・心電図・眼底カメラ・血液検査・尿検査・胸部X線・頸動脈超音波

また、似たような検査項目でも、病院Aと病院B、病院Cで比較すると、施設によって料金には差があります。

病院ごとの脳ドック費用の比較
①病院A35,000円頭部MRI、MRA・頚部MRA・診察・血圧・尿検査・血液検査・認知機能検査・心電図・結果説明
②病院B45,000円頭部MRI、MRA・頚部MRA・身体計測・血圧・心電図・血液検査・問診・結果説明
③病院C88,000円脳MRI、MRA・頚部MRA・血圧測定・身体計測・血液検査・尿検査・心電図・胸部X線検査・問診・結果説明

このように、検査項目の組み合わせの違いや、施設によって料金設定が異なるため、脳ドックの費用の相場は3〜6万円と幅があるのです。

こちらについて、次章でも詳しく解説していきます。

脳ドックの検査9種類と費用の目安

前章で、脳ドックのおおよその費用感がお分かりいただけたかと思います。ここでは、それぞれの検査項目はどれくらいの費用なのか、目安をご紹介します。

代表的な検査項目と費用相場の目安は、以下となります。

脳MRI磁気を利用して、体(脳ドックの場合は脳)の断面を写し、調べる検査。2~6万円
脳MRAMRIと同じ機器を用いて、脳の血管を調べる検査。MRIと同時に行うことができ、造影剤が不要。
頚部MRA頚部(首)の血管を撮影し、動脈硬化の程度や頸動脈血栓の有無を見る
頸動脈超音波エコー脳に血液を送る首の動脈を超音波で見ることで、血管の狭窄が起きていないかを調べる検査。3,000円~1万円
CTX線を使用し、頭部外傷・脳出血・くも膜下出血などを診断する検査。2~4万円
心電図脳血管疾患のリスクとなる不整脈などがないか調べる検査。2,000~3,000円
血液検査脂質異常症など動脈硬化になりうる異常がないかの検査5,000円~1万円
尿検査糖尿病などの動脈硬化のリスクとなる異常がないかの検査2,000円~5,000円
簡易認知症検査口頭でいくつかの質問に答えることで、認知症かどうかを調べる検査。500~3,000円

(※10割負担の場合)

こういった検査項目の中から、各施設それぞれで脳ドックのコースが設置されています。

施設によって複数のコースが設けられていたり、オプションが用意されていたりする場合など様々であるため、自分に合った検査項目や検査施設を選び、受診をする必要があります。

脳ドックは同じ検査内容でも医療機関ごとに設定価格が異なる

1章でも触れたように、脳ドックは同じ検査内容であっても、医療機関ごとに価格設定は異なります。 

その理由は、脳ドックのように健康保険が適用されない自由診療の場合、検査費用はそれぞれの施設で自由に設定することができるからです。

例えば、脳ドックの費用の価格差には、医師やスタッフの人数・施設設備や施設の規模や立地、その他の優遇など、様々な要素が影響していると考えられます。

また、価格設定を各施設で自由に決められるということは、価格が高いから検査の精度が良いという訳ではないことも示しています。

このような理由から、医療機関ごとに異なる脳ドックの設定価格について、費用のみを比較して選ぶことはあまりおすすめできません。実際に良質な脳ドックの施設を選ぶための考え方は、次章を参考にしてください。

脳ドックの費用で迷う場合は日本脳ドック学会の認定施設を参考にしよう

脳ドックを受ける施設を選ぶ際、費用の安さだけを比較して選ぶことはあまりおすすめできないため、信頼できる施設かどうかのバランスも検討することが重要です。

1つの基準として、この記事では日本脳ドック学会の認定施設をご紹介します。実際の日本脳ドック学会の認定施設の検査費用も載せているため、ぜひ一度確認してみてください。

日本脳ドック学会の認定施設とは

日本脳ドック学会とは、脳ドックの質の向上を目指し、脳ドックガイドラインの作成や、認定施設制度の設置などを行っている学会です。

【日本脳ドック学会とは】
日本脳ドック学会とは、脳卒中・認知症予防のために設立された一般社団法人。世界で初めて「脳ドック」を実施した歴史ある学会です。
脳ドックの質の向上を目指している学会で、脳ドックのガイドラインの作成や、認定施設制度の設置などを行っています。
▶日本脳ドック学会のサイトはこちら

日本脳ドック学会の認定施設になるためには、以下のようなさまざまな条件をクリアする必要があります。

  • 高性能な装置を使用していること
  • 専門医が常駐していること
  • 画像読影判断能力があること
  • 結果説明、検査後のフォローを的確に行っていること
  • 認知機能検査を検査の1つとして行っていること

認定施設になるためには、施設装置のスペックや専門医も条件に含まれていますし、追加項目でも厳格な審査が行われます。そのため、日本脳ドック学会の認定施設として認められている施設は、一定のレベル以上の脳ドックを受けられると判断できます。

このように、費用と合わせて検査施設が信頼できるかどうかも考えて脳ドック施設を選ぶと良いでしょう。

脳ドック学会の認定施設の費用例

日本脳ドック学会の認定施設には、全国にたくさんありますが、その中の一例が以下となります。

地域検査費用検査項目
【北海道】
新さっぽろ脳神経外科病院(サイトはこちら)
55,000円問診、血圧測定、尿検査、血液・生化学的検査、心電図検査、高次脳機能検査、MRI(脳断層)検査、MRA(脳血管)検査、頸動脈超音波検査、診察、総合指導・栄養指導
【東京】
東京クリニック(サイトはこちら)
45,000円身体計測、血圧、心電図、血液検査、MRI、MRA、頚部MRA
35,000円MRI、MRA検査
65,000円身体計測、血圧、心電図、眼底カメラ、血液検査、尿検査、胸部X線、頸動脈超音波、MRI、MRA、頚部MRA
【大阪】大阪脳神経外科病院(サイトはこちら)48,400円問診、総合診断・身体計測・頭部MRI、MRA・頚部MRA・超音波検査
64,900円問診、総合診断・身体計測・頭部MRI、MRA・頚部MRA・超音波検査・血液検査・尿検査・心電図
【香川県】
おさか脳神経外科病院(サイトはこちら)
33,000円問診・身体計測・血圧・頚部レントゲン検査・MRI、MRA・神経学的検査・診察・結果説明
38,500円問診・身体計測・血圧・頚部エコー・頚部レントゲン検査・MRI、MRA・神経学的検査・診察・結果説明
55,000円問診・身体計測・血圧・血液検査・心電図・頚部レントゲン検査・胸部レントゲン検査・MRI、MRA・神経学的検査・診察・結果説明
60,500円問診・身体計測・血圧・血液検査・頚部エコー・心電図・頚部レントゲン検査・胸部レントゲン検査・MRI、MRA・神経学的検査・診察・結果説明
【熊本】
熊本脳神経外科病院(サイトはこちら)
20,000円問診・身体測定・MRI
30,000円問診・身体測定・MRI・頚部エコー・動脈硬化検査・結果説明
40,000円問診・身体測定・MRI・頚部エコー・動脈硬化検査・血液検査・尿検査・心電図・栄養指導・結果説明

掲載しているのは一部ですが、受けたい検査の組み合わせに対して費用が妥当かどうか、認定施設以外の機関で検査を受ける場合も、一度確認して比較してみると良いでしょう。

お住まいの地域にある日本脳ドック学会の認定施設は、こちらから探してみてくださいね。

脳ドック費用が少しでも安くなる4つのケース

脳ドックの費用について分かったところで、少しでも安くできる方法はないか気になりますよね。脳ドックは自由診療であるため、費用が通常よりも高額になるとお伝えしましたが、実は脳ドックの費用が安くなるケースもあります。

脳ドックの費用が安くなるケースは以下の4つです。

  • 保険が適用されて保険診療になる
  • 補助金や助成金が受け取れる
  • 生命保険のサービスにより特別価格で受けられる
  • 福利厚生のサービスにより特別価格で受けられる

詳しくは次章からそれぞれ1つずつ解説していきますので、ご自分に当てはまる条件がないかチェックしてみてください。

脳ドックの費用が安くなるケース①保険適用

まずは、保険診療によって脳ドック同等の検査を受けられるケースです。

脳ドックは基本的に自由診療ですが、保険診療にて脳ドック同等の検査を受けられることもあります。保険が適用されるのは、以下の場合です。

  • 手足のしびれなど何かしらの症状が出ており、医師の診察を受け、検査が必要になった場合
  • 脳ドックによる精密検査が必要と医師に判断された場合

上記のように、医師の診断により精密検査が必要と判断された場合には、保険の適用される保険診療にて脳ドック同等の検査を受けられる可能性があります。

ただしこの場合は、MRI検査など医師の診断によって検査項目が決まり、こちらから受けたい検査を選ぶことはできません

現時点で、頭が痛い・手足のしびれなど、脳に関係しそうな不調がある場合は、脳ドックを受ける前に医師の診察を受けてみるといいでしょう。

脳ドックの費用が安くなるケース②補助金・助成金

健康体で、身体に何の支障も感じていない方でも、補助金や助成金を使用して脳ドックを安く受けられるケースがあります。

補助金や助成金があるケースはこちらです。

  • 【自営業者・高齢者向け】国民健康保険加入者対象の助成制度
  • 【会社員向け】社会保険加入者対象の助成制度

それぞれ解説していきます。

【自営業者・高齢者向け】国民健康保険加入者対象の助成制度

自治体によっては、自営業者や高齢者が支払っている国民健康保険加入者を対象に、脳ドックの補助制度を行っている地域があります。

補助を行っている自治体や補助例としては以下のものがあります。

【脳ドックの補助を行っている自治体】

自治体名対象となる方補助金額
東京都立川市(サイトはこちら)・30~74歳の立川市の国民健康保険に加入している・東京都の後期高齢者医療制度に加入している立川市民15,000円
※受診費用額(税込)が1万5千円を下まわる場合は、受診費用の額が補助金額となります。受診日の属する2年度に1回(50歳以上の方は年度内に1回)申請可能。
千葉県富里市(サイトはこちら)・満40歳以上、市の国民健康保険に加入している人・市税などを滞納していない世帯に属する人・後期高齢者医療制度に加入しており、市税などを滞納していない検査費用の2分の1
上限額20,000円※1円未満は切り捨て
神奈川県葉山町(サイトはこちら)・検査日に、同町の国民健康保険の被保険者の方・検査日に20歳以上75歳未満の方・町税、国民健康保険料および介護保険料の滞納がない方上限額20,000円
※1人につき年度内1回限り※福利厚生団体などから当該補助金に該当する補助を受ける場合、実際に支払った金額から補助を受けた金額を差し引いた金額を補助対象とする。

ご自身の住んでいる自治体で、脳ドックの補助があるかどうか調べるには、各自治体の市町村役場に問い合わせたり、インターネットで「脳ドック 補助 ○○市(自治体名)」で検索したりしてみてくださいね。

また、自治体の補助制度を利用して補助を受ける場合は、こういった注意点に注意しましょう。

注意点

  • 市民税や町民税など税金の滞納があると補助を受けられない自治体が多い。
  • 補助の方法が自治体によって違うので、補助額を引いた費用を脳ドックの窓口で支払うのか、先払いしてあとで補助額をもらうのか確認しておく。
  • 補助の申請期間が決まっていたり、申請方法が決まっていたりするので脳ドックを受ける前に確認しておく。

注意点を守らないとせっかくの補助を受けられない場合があるので、しっかりと確認しておきましょう。

【会社員向け】社会保険加入者対象の助成制度

次に会社員が支払っている社会保険加入者を対象とした助成制度についてです。会社員の方は、会社ごとに所属している社会保険組合によって、脳ドックの補助が受けられるケースもあります。

補助のある社会保険組合の一例はこちらです。

対象となる方補助金額
東京不動産業健康保険組合(サイトはこちら・当該年度に40歳、45歳、50歳となる被保険者・当該年度、すでに50歳に達している被保険者10,000円
大東建託健康保険組合(サイトはこちら・30歳以上の社員および家族(被扶養者)上限28,000円(検査費用の70%)
※頭部MRA・MRIのみの費用がわからない場合は、検査費用の上限を25,000円として金額修正し、その70%を補助します。
経済団体健康保険組合(サイトはこちら・被保険者および被扶養者・年齢制限なし上限額15,000円

このように、加入している社会保険によって補助が受けられるケースがあります。

あなたが働いている会社の社会保険で脳ドックを受けられるかどうか調べるには、社会保険証に記入されている問い合わせ先に問い合わせてみてくださいね。

注意点

  • 契約医療機関か契約外医療機関かによって支払い方法などが異なるので確認しておく。
  • 申請期限があることもあるので、申請期限や申請方法を確認しておきましょう。

脳ドックの費用が安くなるケース③生命保険

生命保険に加入している場合、生命保険会社が提携している施設で、お得な価格で脳ドックを受けられる場合があります。

補助のある生命保険の一例はこちらです。

対象となる方補助金額
東京海上日動あんしん生命(サイトはこちら・当保険に加入している方・通常料金より約5%~20%程度の割引となる優待料金
※医療機関、検査内容により割引適用されない場合もあるので、詳しくは専用コールセンターにて確認が必要
日本生命(サイトはこちら・当保険に加入している方※全国の提携医療機関にて、特別価格にて受けられるが、料金については要確認

生命保険に加入している場合、提携している医療機関によってお得な価格で脳ドックを受けられるケースがあります。

加入している生命保険会社で脳ドックの補助を受けられるかどうか確認するには、生命保険会社のサービスセンターに問い合わせてみてください。

また、生命保険に入っておらず、これから加入を検討される方は、脳ドックを特別価格で受けられるなどのサービスがあるかで検討してみるのも良いでしょう。

注意点

検査項目によって補助が受けられない場合があるので、事前にサービスセンターに問い合わせて、補助が受けられる条件をしっかり確認しておきましょう。

脳ドックの費用が安くなるケース④企業や福利厚生サービス

企業やさまざまな団体で加入している福利厚生サービスの1つとして、脳ドックの割引を受けられるケースもあります。

脳ドックの特典を受けられる福利厚生サービスの一例はこちらです。

対象となる方補助金額
ベネフィットステーション・同サービスに加入している方・通常料金より優待料金かポイント還元にて脳ドックを受けられる
WELBOX・同サービスに加入している方・通常料金より特別価格で脳ドックが受けられる

このように企業によっては、上記のような福利厚生サービスに加入している場合があります。加入している福利厚生サービスの中に、脳ドックがお得に受けられる特典がある場合もあるので、福利厚生サービスに加入しているか確認してみましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか? 脳ドックの費用感について理解でき、脳ドックを受ける施設や検査する項目が判断できるようになったのではないでしょうか。最後にこの記事についてまとめますと、以下のようになります。

この記事で分かったこと
◉ 脳ドックの費用相場は3万円~10万円安くて2万円、高くて10万円以上となる
◉ 脳ドックは自由診療のため、同じ検査項目でも医療機関ごとに価格設定は異なる
◉ 脳ドック同等の検査が保険適用で安く受けられるのは・何らかの症状が出ていて医師の診察後に検査が必要と判断された場合・脳ドックでの精密検査が必要と医師に判断された場合
◉ 脳ドックの費用が補助金、助成金により安くなる場合・自治体の補助・社会保険加入者の助成金・生命保険会社のサービスで安くなる場合・加入している福利厚生サービスで安くなる場合
◉ 脳ドックの施設選びに迷ったら日本人間ドック学会の認定施設を参考にする

この記事をもとに、あなたの脳ドック検査がうまくいくことを願っています。

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この記事を書いた人

ブレインヘルスケア・オンライン編集部では認知症や様々な脳疾患領域に関連する情報を発信していきます。「ブレインヘルスケア」という考え方を通して脳の健康について学べるメディアを目指しています。

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